田村山安養寺

安養寺は真言宗智山派のお寺です
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 安養寺の由来
田村山安養寺(真言宗智山派)は高幡不動尊から浅川を渡った北東にあり、多摩川の近くに位置しています。将棋好きの言葉で「王手は日野の万願寺」と言いますが、その万願寺の南東に接しています。なお、今日万願寺というお寺はなく、地名として残っているのみです。
「田村」というのは、かつての日野市下田のことですが、その名はこの辺りから起こり、居館を構えていた武蔵田村に由来しています。田村氏は日奉氏族西党の一氏で、知行地を有していました。田村駄太郎知實、その子の同三郎弘綱(平安時代後期〜鎌倉時代初期)等の末裔に、安養寺を開基したといわれる田村安栖がいます。
田村安栖は小田原城の御殿医で、小田原北条氏最期の場面に小田原の自邸を提供し、氏政、氏照兄弟が切腹場に当てた(1590年・天正18年7月11日)ことは「北条五代記」(小田原記)に詳しく書かれています。今でも小田原市の中央部に「安栖小路」の名が残っています。
安養寺の本堂(1690年頃・元禄時代初期)は田村氏の書院の一部を使い、建立されたと伝えられております。
また、本堂北側に隣接する茅葺屋根の庫裏は本堂よりも古く、中興開山法印慶深の位牌に1606年・慶長11年11月22日没と刻していることから、その前後に建立されたものと思われます。黒光りする古い柱や床に残されている手斧の跡に、古館の結構を偲ぶことができます。
本堂に安置されている本尊阿弥陀仏如来坐像(都重宝)は、安養寺の前身である万願寺の本尊であったものと思われ、平安時代後期の作で端麗で細部の手法も見事です。また、藤原時代の毘沙門天像、鎌倉時代の大日如来立像等、多数の古仏も安置しております。
現在の本堂は、1983年・昭和58年に檀信徒をはじめ日野市並びに東京都のご協力により、改修復元工事を実施することができました。今日まで幾多の歴史的災害をのりこえてきたこれらの文化遺産を、私達は先人の例に習い、皆様と共に子々孫々に伝え護持していかなければならないと思います。 合掌。

田村山安養寺
第二十一世住職 石黒 忠雅

 日光菩薩像・月光菩薩像建立
かねてより懸案でありました、薬師如来の脇仏として日光菩薩像と月光菩薩像を建立致しました。これによって、薬師如来は三尊形式とすることができました。
脇仏については構想数十年、制作に1年余の時間を要しております。併せて須弥壇も新たに制作し、大変立派な薬師堂となりました。
建立には檀家信徒の皆様、御喜捨頂いた皆様のお陰によるもので、ご芳名は像の中にお納めしております。
安養寺にお越し頂き、日光菩薩像月光菩薩像にもお参り下さいますようご案内申し上げます。
安養寺
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安養寺
 令和5年 大施餓鬼会法要の様子(7月22日)
本年の大施餓鬼会法要はコロナ鎮静化を受けて、久しぶりに通年状態で行われましたが、多くの方々はマスク着用でした。ご法話の他に江口二美さんのソプラノミニコンサートが行われました。
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東福寺ご住職 原禅壽僧都のありがたいご法話。
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江口二美さんのソプラノミニコンサート。
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本堂のみならず廊下や屋外テントも満員の盛況でした。
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本堂で読経と法要が行われました。
 令和5年 毘沙門天大祭の様子(4月2日)
高曇りの日曜日、多くの檀信徒の皆様がご参集されました。大祭では毘沙門天が現世に下られて、人々の願い事を親しく聞いて下さると言われています。この苦難の時代、皆様沢山のお願いをされたことと思います。
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安養寺入り口脇の枝垂れ桜が満開で、ずっしりとした重量感さえ感じられました。
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「日野ばやし連」の祭り囃子に合わせて、「おかめ」「ひょっとこ」や「獅子」がご参拝者の席を回りました。
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荘厳な法螺貝を先頭に識衆のご入場です。
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例年通り護摩壇と読経・お札のお清めが行われました。
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令和4年4月3日午後2時厳修 毘沙門天大祭のご案内
仏教には、それを守護する多くの天王がおられます。その中でも多聞天、持国天、増長天、広目天が四天王と言われています。多聞天は単独で祀られる場合、梵名から「毘沙門天」と呼ばれます。

日本においては平安時代には北方を護ることから、特に東北地方で盛んに信仰されました。室町時代以降は七福神の一人として福徳、財宝の神として信仰されました。七福神の中では戦い・勝運の神とされています。毘沙門天のお姿は戦い・勝運の神ゆえ、いかめしい鎧姿ですが、住まいの有財城に多くの財宝を有する、豊かな天王とされます。
安養寺の毘沙門天祭では、護摩札をお申し込みの方に、毘沙門天のお使いの虎にちなんだ、張り子の虎一体をお授け致します。