室町時代頃に13の忌日(7日×7、100日、1年、3年、7年、13年、33年)が定まり、お導きの仏さとして十三仏(不動、釈迦、文殊、普賢、地蔵、弥勒、薬師、観音、勢至、阿弥陀、阿閦、大日、虚空蔵の仏さま)が配当され、精霊は施主の勤めるご法事を縁として十三仏を順次巡り、それぞれの仏・菩薩の徳を授かり、子孫に福徳を施してくださると信じられてきました。そこで、今日でも特に功徳があるとされる年回(1年、3年、7年、13年、33年など)の故人の命日に、年回忌法要を行い故人の冥福や菩提のために法要を営むことが大切とされています。年回忌法要では、亡き人の遺族が施主となって、仏さまに焼香・花・飯食(供物)・燈明・卒塔婆などを供養し、導師(僧侶)が、その善行の功徳が故人(精霊)の冥福や菩提のためになるように読経や修法を行います。亡くなった後に、追って福徳を施し故人に代わって善行を修するための供養なので「追善供養」といい、功徳を故人の冥福や菩提のために廻らし向けるので「追善廻向(ついぜんえこう)」ともいいます。
お仏壇は元々、奈良時代に天武天皇が、諸国の家々に仏舎をつくり、仏像・お経を置きなさいという勅を出したことが始まりと言われています。現在のお仏壇は仏さまを上段におまつりし、その下にご先祖さま・故人のお位牌・故人の戒名が書かれた過去帳をおまつりする形になっています。そのお仏壇の前で手を合わせることによって、仏さま・ご先祖きま・故人とのご縁により今の自分があるのだ、ということに感謝することが大切です。それによってお仏壇が、日々の心のよりどころとなるのです。
・飾り方
真言宗智山派で推奨するお仏壇の飾り方は、上段より中心に「ご本尊さまJ (通常大日如来)右脇に「弘法大師」左脇に「興教大師j あるいは「不動明王」をおまつりします。その次の段には中心に、故人の戒名・俗名・命日が記された「過去帳」その右脇にご先祖さまの戒名を重ね入れる「繰り出し位牌」、左脇に故人の位牌をおまつりします。その次の段に「六種供養J と言われるお供物をお供えします。「六種供養」とは「お水」「お香」「お花」「お線香」「ご飯」「お灯明」のことで、この六種をお供えすることで「六波羅蜜」という正しい六つの行いをすることになるのです。そしてこれが供養の心につながるのです。
お仏壇を廃棄する時は住職が魂抜きの修法を行います。また、新しいお仏壇が安置されましたら魂入れ、新しい場所に移動したらご遷座の修法を行います。詳しいことは住職にご相談ください。廃棄の場合、その後新しいお仏壇を購入した時は、古いお仏壇は仏具店などで引き取ってもらえる場合があります。お焚き上げ等については住職にご相談下さい。
・墓参の作法
まず本堂にお参りしてから自分の家のお墓にお参りするのが良いでしょう。お墓にはお供えとして、お花・お線香・お供物(果物、洗米など)・お水を持参します。お墓を掃除する道具を持参して、お墓をきれいにすることも大切です。先ずはお墓を掃除してお花・お供物を供えます。そしてお墓にお水をかけて線香を点し 、お数珠を手にかけ、合掌してご先祖さまをご供養しましょう。お供物はお参りが終わったら持ち帰るようにお願い致します。また、お花や紙の燃えるごみ以外のものは必ず分別をお願いいたします。缶やびん・ペットボトルはできる限りお持ち帰り頂きたいのですが、捨てる場合には必ず空にして中を洗って下さい。特にコーヒー、ジュース等の容器は虫がわき、大変困っております。お墓はいつでも清潔に保ちたいものです。
・お墓を新しくしたい時には
お墓を新しくしたいときには住職と施主、石材屋の三者で相談致して決めます。また、工事完了した時点で吉日を選び開眼供養を致します。